The Data Report 2008

貿易

各国がグレンイーグルズ共同声明で設定したMDGsに到達しようと努力する際、開発援助は実現不可能な財政ニーズを満たすという意味で役立つが、長い目でみると、各国とも開発や成長を刺激する貿易機会の向上を望み、必要としている。G8は2005年に「アフリカに役立つ貿易体制を築く」と公約した。DATAではこの公約について、「G8がドーハ開発ラウンドおよび必要に応じてその他のプロセスを通じて努力し、アフリカの国々が国内、地域、世界の市場により良くアクセスできるとともに、これらの市場向けの商品生産に必要な能力を持てるようにすることを保証する」ものと解釈する。そのために必要とされる施策としては、市場における商品価格調整のための農業補助金の削減、より簡易な特恵原産地規則の適用による関税率削減を通じた富裕国市場へのアクセス向上、アフリカ諸国の物資の生産・輸出を助ける貿易援助、貿易協定が各国の正当かつ民主的なプロセスを通じて進められ、これを各国の経済開発政策に適合したものとする政策空間の確保 ― などが挙げられる。

貿易政策改善の必要性は最近、世界的な食料危機に関連する大々的な報道に伴って注目の的となっている。農産物に対する貿易制限および補助金の持続、脆弱なインフラストラクチャー、その他の経済ショックが相まって、世界の市場は歪められ、食料品価格は貧しい人々には手の届かない水準に上昇した。 世界食糧計画(WFP)では、これらの要因が累積すると、さらに1億の人々が厳しい貧困状態に陥ると推計している。このような報道を受けて、一部の国々では補助金をさらに拡大し、補助金付きの食料品を世界の市場に送り出そうとの動きをみせている。だが、われわれは、そもそも危機を増幅させることになった政策をここでまた一段と強化するような事態を許せない。

本レポートの印刷時点で、ドーハ開発ラウンドは、富裕国の国内政治によって依然として停滞状態に置かれ、開発ニーズへの真剣な焦点を欠いている。それでもG8はアフリカに役立つ貿易体制の構築という公約を履行しなければならないが、それにもかかわらず、これまでのところはドーハや永続的かつ重要な二国間政策の変更を通じての公約は履行できていないままである。DATAはドーハまたは個々のG8国により、アフリカ貿易イニシアティブ(ATI)が履行されるよう要求する。同イニシアティブは、補助金が世界市場に及ぼす影響への対応、アフリカ産品のG8市場への参入を許す特恵プログラムの簡素化、アフリカの生産・輸出能力向上のための貿易援助の拡大、これらの変化に必要とされる政策空間の保証 ― などを進めるものである。