優れたガバナンスと安全保障は、アフリカにおいて意義ある貧困削減を達成する上で重要な前提条件である。よって、MDG達成のためのG8およびアフリカの取り組みの先頭、かつ中心になくてはならない。今年のDATAレポートでは、ガバナンスと安全保障を一つの章にまとめた。この章において、G8およびアフリカの公約とその進行状況を並べて評価した。ガバナンスと安全保障の間には基本的なつながりがあり、これら2分野ではG8とアフリカの公約は共存関係にあると考えるためである。
2007年には数多くの国でガバナンスと安全保障において改善がみられたが、期待を大きく裏切る後退する国(例;ケニア)、行き詰まり状態の国(例;ジンバブエ)もあった。しかし、このような後退がある一方で、アフリカ大陸全体で民主主義があちこちで台頭しており、紛争中の国の数は減少した。
ガバナンスと安全保障の問題、アフリカおよびG8の取り組みとの間の関係は共生という面から捉える必要があろう。すなわち、ガバナンスと安全保障に関し、アフリカにおいて有意義な進歩があるとすれば、それはG8の公約と相互作用の関係にあるアフリカの公約が一致して初めて実現する。同様に、成功を期すためには、G8各国からアフリカ各国政府に対し、意義ある改革を進めるためのサポートおよび一定のインセンティブが提供される必要がある。G8はグレンイーグルズで、数多くのガバナンス関連公約を行い、国連腐敗防止条約(UNCAC)などの国際協定や条約の調印、アフリカ・ピア・レビュー・メカニズム(APRM)などのアフリカ自身の手によるイニシアティブの支援を目指した。平和と安全保障に関しても一連の公約をしたが、本レポートは、平和維持要員の養成に関する約束の進捗状況のほか、アフリカ予備軍の支援、スーダンの危機への対応などに関する公約の進捗状況を測定する。なお、本レポートがモニターした公約は、必ずしもドナー国、アフリカ各国政府がガバナンスと安全保障への対応として実施した活動のすべてを網羅するものではなく、また、これらの公約の履行だけでアフリカのガバナンスと安全保障の問題に適切に対応できるものでもないことに留意する必要がある。
本レポートでは、ドナー国がおおむねUNCACおよびOECD外国公務員贈賄防止条約に署名、批准するという公約を果たし、採取産業透明性イニシアティブ(EITI)およびAPRMを支援していることを確認した。アフリカ各国政府は、大陸全体において優れたガバナンスを促進する取り組みを強化しており、28カ国はAPRMプロセスへの参加に署名し、15カ国がEITIの候補国となる条件を満たした。ガバナンスは多くの国で進展がみられるが、さらになすべきことは多い。G8およびアフリカ諸国ともに、多くの国が単なる協定・条約の批准にとどまらず、引き続きその意義ある実施に向けて進んで行かなければならない。
平和と安全保障の分野については、G8は平和維持要員7万5,000人の養成、およびスーダンのアフリカ連合(AU)ミッション、アフリカ待機軍(ASF)の支援を公約した。平和維持要員7万5,000人の養成は公約に沿って進んでいるが、スーダンのAUミッション支援は不十分であり、ASF支援の取り組みはドナー国によってまちまちである。グレンイーグルズ以降に、平和構築委員会(PC)と国連中央緊急対応基金(CERF)が設立された。資金手当て面で不足部分があるが、どちらも事業開始後の最初の数年において重要な進展があった。アフリカ各国政府による、同大陸全体にわたるセキュリティ向上への取り組みは近年強化されており、アフリカ各国は引き続きアフリカ内外でのミッションに大規模な平和維持軍を派遣している。ASFのための地域旅団構成に関しては、進行状況は地域によって差があり、G8の支援が役立つきわめてはっきりした領域である。