本年のレポートでは、アフリカ各国政府のガバナンスと安全保障に関する公約の監視に加えて、DATAはアフリカの指導者が保健、教育、水と衛星、貿易の分野に関して行った主要な公約を提示することにした。ガバナンスと安全保障と同じく、真の意味で進展が得られるかどうかは、パートナーシップと優先事項に関する共通の意識いかんにかかっている。このため、アフリカ各国政府が成果を上げるためにG8および自国のステークホルダーとの間に、どの程度の連携を有するかが重要な意味を持つ。
本章の作成にあたって最大の問題は必要なデータの欠如であった。アフリカ自身の公約監視のための取り組みは大幅に資金不足で、データは入手し難い。主要な国際機関が提供する統計さえも内容が古く、またまとまりがない。したがって、イブラヒム指数は重要な意味を持つ革新的事項といえる。DATAはまた、アフリカン・モニターの業績を賞賛する。アフリカン・モニターは、国際社会のみならずアフリカ諸国政府がアフリカの人々のために行った公約を集大成し、評価している。アフリカン・モニターは今後、公約の進行状況についてさらに支援を得つつ、詳細にわたって追求するが、その業績からわれわれは、さらに望ましいデータへのアクセスができ、より広範囲にわたる実態の把握が可能になると期待する。本レポートが把握した実態は広範囲にわたるものではないが、アフリカの市民社会が今後、自身の政府の取り組みをより良く監視できるよう、研究や説明責任の拡充の必要性を浮き彫りにしている。
保健の分野では、アフリカ各国の政府は保健に関する国内リソースの増強を公約した。また、HIV/エイズ対策の枠組みである「三つの統一」の原則に従って、全ステークホルダーとの調整および効率性の最大化とともに、保健関連の能力拡充計画を策定することを約束した。アフリカの4カ国が予算の15%を保健関連に充当するという目標を2004年に達成し、大多数の国(データ入手可能な国)が「三つの統一」を実行すべく努力するとともに、保健のための人材拡充計画を立案している。ただし、これらの計画はなお資金を必要としている。
教育の分野については、アフリカ各国の政府は債務免除で利用可能になった資金や国内のリソースを充当してこの分野を優先し、就学児童数の増加を図っている。しかし、就学率の向上に伴い、教育の質、修了率の問題と取り組む必要性が生じている。このため、各国政府はより長期にわたる計画立案を約束し、資金調達を優先している。アフリカ各国の政府は、資金不足問題の詳細を説明する長期計画の立案を進めているが、そうした点こそまさに国際社会がこれらの国々の発展目標を支援できる領域となる。
アフリカ各国政府は水分野の計画作成で合意し、さらに水に関するアフリカ閣僚会議(AMCOW)を設立した。同会議はアフリカ各国の政府が一体となってリソースとニーズの調整とともに、資金調達についての包括的なアプローチを開発する最初の場となる。これ以外では、なお各国政府にとって、水分野の向上をもたらすために国内で取り得る具体的措置を特定するという、大きな課題が残されている。
アフリカの各国は、世界貿易でより大きな位置を確保するため努力する一方で、アフリカ域内貿易に取り組むとともに、貿易計画と国内経済開発計画との連結を進めている。多くのアフリカの国々は集団としての経済力を強化し、アフリカ域内貿易を促進する地域経済ブロックを作り出している。同時に、さらに多くの国々が貿易や投資の促進を貧困削減戦略の中に組み込みつつあり、そうした取引のより円滑な推進のため、ビジネス環境の改善にも取り組んでいる。